鼠径ヘルニアは自然に治るのか — 放置のリスクと判断の目安
立ち上がった時に足の付け根がぽっこりと膨らむ、横になるとへこむ。鼠径ヘルニアに気付いた方が最初に抱える「自然に治るのか」という疑問について解説します。
鼠径ヘルニアは、腹壁の筋膜が弱くなった部分から腸の一部が脱出してしまう病気です。残念ながら一度生じた壁の欠損が自然に塞がることはなく、薬や運動による根本治療もありません。唯一の治療法は手術による修復です。
放置した場合のリスクとして最も注意すべきは「嵌頓 (かんとん)」です。脱出した腸が戻らなくなり血流が途絶えると、数時間で腸が壊死する緊急事態となり、開腹による腸切除が必要になることもあります。日帰り手術で済んでいたものが、長期入院を要する大きな手術に変わってしまうのです。
とはいえ、診断されたその日に必ず手術を、ということではありません。日々の生活の中で違和感が増しているか、押し戻しても再度脱出するか、痛みを伴うか — これらの目安をご自身で観察いただきつつ、専門医とご相談の上で手術時期を決定します。











